こんにちは、セブテク編集部です。
みなさんは、Adobe Flashをご存じでしょうか?
Flashというと、ひと昔前のWebアニメーションのイメージが強いですが、e-learningなどのWeb上のコンテンツにも広く使用されてきた技術です。
長く愛されてきた Flash ですが、Adobeは2020年末までにサポートを終了することを公式に発表しました。
今回は、Flashがなぜ サポート終了になったのか?
これからどうすればよいのか?を特集します。
Flashサポート終了の背景
2010年頃、AppleがiPhoneやiPadでFlash Playerを切り捨てる決定を下しました。
背景としては下記のような理由があるようです。
- オープン性の低さ(Flash はAdobeによって独占されている技術であるため、オープンではない。※オープンなWeb標準としては、HTML5やJavaScriptなどが挙げられる)
- Flashがなくてもほとんどのサイトが閲覧可能であること
- 信頼性が低い、セキュリティ、パフォーマンスが低い
- バッテリーを消耗する
- タッチスクリーンに対応しづらい
iPhoneやiPadでサポートされないということもあり、徐々にFlashを使用したサービスも減っていき、最終的にAdobeが正式にサポート終了するという結果になりました。
サポート終了に伴い、Flashで構築または公開されたオンラインコースやアプリなどのコンテンツは、HTML5に置き換える必要が出てきました。
具体的には今後どうしていけばよいのでしょうか。
Flash→HTML5 移行の手順
早めに計画を立てる
Flash のサポートは2020年に終了します。
では、2020年になってから対応を始めればよいのでしょうか?
答えはNoです。完全に機能が停止してからだと、対応が間に合わなくなる可能性があるため、今のうちから計画を立てることが大切です。
残っているファイルの確認
Flashの元となるデータは、Flashソフトで作成された「flaファイル」(拡張子 .fla)というものです。そこから書き出した「SWFファイル」(拡張子 .swf)を使用して、サイト上でFlashが見られる仕組みです。違いは下記の通りです。
「flaファイル」…元データ。データの編集が可能
「 SWF ファイル」…書き出されたデータ。データの編集は不可
「flaファイル」が残っている状態が理想ですが、Flashの制作を外注していた場合、手元に「 SWF ファイル 」しか残っていないケースが多くみられます。
まずは、手元に残っているのがどのデータなのかを確認しましょう。
その他に、画像・音声ファイル、テキストファイル、ActionScriptのソースコードなどが残っているかも確認してください。
直接再利用できるデータが多ければ多いほど、スムーズに移行できる可能性が高まります。
ファイルの変換・編集を試す
ここからの作業には、専門知識が必要となってきます。
Flaファイルが残っている場合
・Adobe Animate CCで元データをHTML化する
・手作業で変換する
SWFファイルが残っている場合
・SWF変換ツールを利用してHTMLに書き出す(※変換ファイルサイズの上限があるので、簡単なものであれば変換ができる可能性がありますが、複雑なコンテンツは変換できません。)
・SWFをデコンパイルしてソースコードに戻す
(※条件が揃わないとうまくいかない場合が多いですが、試してみる価値はあります)
ファイル変換の注意点
上記いずれも、ファイルが残っているからといって置き換えに成功する保証はありません。
特にSWFファイルからの置き換えは、あまり期待しないほうがよさそうです。
また、成功しても、完全に置き換えられるとは限りません。特に、複雑なコンテンツは書き出し後の修正や、綿密な動作チェックが必須になります。
PCだけでなく、モバイル対応ができているかの確認が必要です。
HTML5で最初から組み直す
一部の修正で済む場合もありますが、場合によってはイチからHTML5で組み直す必要があります。ファイルが正常に変換されない場合や、ファイルが揃っていない場合 は、このプロセスになります。イチから組む場合どうしても時間や労力がかかってしまうため、早めに準備を進めることが必要になります。
規模の小さいページで、もし時間やコストに余裕があれば、これを機にデザイン等の一新を考えてもよいかもしれません。
まとめ
FlashのHTML化は、2020年に向けてかなり重要度の高い問題になってくると思います。
手遅れにならないように、早めに準備を始めることをお勧めします!